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もう早半月が経過した。
先日は今年のコナ参戦メンバーを中心に、和やかで活気ある「打ち上げ@中央林間」も終了。
既にレースは完全に過去の出来事になっている。。

2011年以来、再び夢の舞台になるはずだった今年のアイアンマン世界選手権。
ここまで準備出来ずに臨むことになるとは想像も付かず。
多忙、モチベーション低下、悪のスパイラル、、どの言葉でも適当でない、とにかく圧倒的運動不足の
ぽっちゃり体質で臨まざるを得ないことに、本当に憂鬱な日々を送る。

今回は特に、チーム内でただ一人の参加。
過去日本人上位を占めて圧倒的な存在感を示してきたであろう我がチームでしたが、今年はツキと運に
見放された結果ただ唯一のスロット獲得者になってしまった。

現地に出向いてからも、「チームメイトの皆さんは?」と聞かれること多数。
「あぁ、そうだったんですね、じゃまた日本人トップ目指して頑張って下さい!」
こりゃいかんな~ と思ってプレッシャーを感じてみてもどうすることも出来ず。

今回の旅は2011年のコナ参戦時からお付き合いで、8月末北海道にて共にエイジトップでスロットを取った
先輩諸氏2名及び応援で来られた方と同じコンドミニアムに泊まり、道中を過ごすことに。
お二人とも本当にフランクな方々で、一番年下の私が本来きびきびと走り回らなければいけないところを
さりげなくお心遣いいただき、すっかり甘えてしまった。

レース前々日のウェルカムパーティーで。
2015 IM WC①

レース前の軽~いバイク試走(約40K)で吐き気を催したり、軽~いご近所のジョグで熱中症気味になったり、
3か月まともに泳いでいないスイムと合わせて、こりゃ本当に過酷なレースになるだろうと気を引き締める。

前日、早めのディナーは宿のすぐ近所にある、有名な地元ハワイアン料理で。
2015 IM WC④

前日のバイクチェックイン。
作り笑顔の裏には、ものすごく不安で憂鬱な気持ちがない交ぜになって。。
2015 IM WC③

スイムで過呼吸になって溺れかけること。
バイクで熱中症によって夢遊病者になること。
ランでハンガーノックになり、ぶっ倒れること。

実はいずれも過去、渡良瀬遊水地での初エリート参戦、アイアンマン70.3世界選手権、アイアンマンメルボルンにて
体験済みのこと。これ以上周囲に迷惑を掛けるのは忍びない。
でも今回は「人生初トライアスロン」の時よりも不安なコンディションで臨むわけで、とにかく無理せず完走だけは、
と言い聞かせる。

2011年初アイアンマンが10時間1分で、これからどこまで自分が成長できるのか楽しかった日々は捨て去り(笑)、
トータル12時間を目途に、とにかく自分の身体と相談しながらレースの雰囲気を楽しむようにしようと。

レース当日。
2015 IM WC⑧

最も不安なスイムは、ほぼ最後尾から。
箪笥の奥から引っ張り出してきた、スイムスキンは身体にきつく、前日不安解消のため3か月ぶりのスイムで
ありながら休み休み2K泳いで、「あぁ、やっぱり止めておけば良かった・・」と思うほど、疲労困憊で。。

で、折り返しまでの1.9Kが長い!
ほぼ最後尾からスタートしたので、大したバトルもなく、周りはマイペースの人ばかり。
当初抱いた不安が徐々に解消されつつあるが、そこはまだ序盤。
やっとの思いで折り返した後は徐々に疲れが。。「まだ半分か・・・」
後半何とか周りのペースに合わせながら、疲労を貯めないようにリラックスを心掛けるが、周囲の選手も
徐々にばらけてきて、そこへ10分後にスタートした女子選手がトビウオのように追い抜いていく。
さすがに精神的にも苦痛になって、自分を落ち着かせる。
「今日はとことん自分と向き合うのであって、他の選手のことは気にしない」と。
最後の方はあまりに抜かれるもので、現在の自分の置かれた状況、泳力の衰えを身に染みてがっくり。

SWIM 1:30:49

想定内だが、ここで早くもバッファとみていた10分を消化してしまった。

バイク。
もう、周囲は女子選手か、年配の男子選手ばかり。
追い風区間また無風区間なので、気持ち良く漕げるが、そこは焦らず。40K/hは超えないようにする。
前回2011年は苦手スイムも1:12程でアップし、遅れを取り戻そうと必死にもがいていた中、抜きつ抜かれつで
ランまでの余力を使い切った感があった。そんなこともふと懐かしく感じながら、ひたすら溶岩だけの一本道を、
前回と同じ光景を、女子選手と年配選手に交じりながら進んでいく。

今年はいつになく暑いそうで、60Kを過ぎて早くもバテ気味。食欲もなく、吐き気を催す。
不味いな。。
お腹が脂肪で弛んだ上に久しぶりのTTポジションは辛い。
向かい風区間、上り坂が続く区間で。「おぇ・・・、気持ち悪、、」
抜きつ抜かれつだった女子選手に置いて行かれる。
ホント不味い!と思った矢先に、雨の恵み。
通り雨のようだったが、崩れかけた体調だけは少し取り戻し、サイクリング速度(上りで約20K、下りで40K弱)
ながらも漕ぎ続ける。
再び熱射が戻ってきて、エネルギー補給のジェルを無理やり口に流し込むものの、かなり気分が悪い・・。
6時間でフィニッシュ予定が、後半の「黄金のタレ」ぷりにて無情にも時間が経過していく。
自分のバイク終盤、トッププロ選手は既にランの終盤、エイジトップ選手もランの後半に差し掛かった頃で、
彼らの今は異次元の頑張りを傍で眺めつつバイクフィニッシュ。

BIKE 6:42:15

T2のテントでしばし開放感に。
もうドリンクも受け付けない状態になっている。
気持ちを奮い立たせて、2種目を何とかクリアした達成感をまずは感じ取ろう。
これまではスイム、バイクの遅れを得意だったランで抜き返してやる、との意気込みですっ飛んでいったであろう
このT2で「さて、あと42Kをどうやって乗り切ろうか」と再び不安に苛まれてスタートを切る。

メイン会場で日本人の応援団から声援を受ける。
「おぅ、TRION頑張れ!!」
励みなってとっても嬉しいが、その「おぅ」が何でこんな位置でTRIONの人が走っているんだ?とも聞こえる。。
身体が重いな。。序盤快調な女子選手を追い掛ける。ランに入ってちょっとだけお腹の調子が回復して。
すぐにまた吐き気。食べ物を補給しないと持たないはずで焦りつつ、耐えうるぎりぎりの範囲でオレンジだけを
頬張る。

途中に知り合いの日本人選手同士ですれ違いざまに声を掛け合い励まし合う。
皆この暑さで顔が歪んでいる。みんな辛いんだろうな。

そこへ2011年の再来か。S戸師匠が片腕を固定しながらランで追い抜いていく。
背中を見ながらマイペースを刻んで無理なく進めているつもりも、いつまた体調異変が起こるとも判らない状態。
身体がホントに言うことを聞いてくれない。

アリィドライブまでの折り返し、アリィドライブからクリーンKまでって、こんなに長かったかな。。
クイーンKからエナジーラボまでって、えっ?まだ着かないの?
遂には水さえも受け付けなくなって、吐き気がマックスに。
でもこのままだと間違えなくガス欠、ハンガーノックで倒れてしまう。
次のエイドで無理やりジェルを水で流し込む。「うおぇ~~、まじで気持ち悪いよ・・・」
約4K走って、若干腹持ちが楽になった頃に再びジェルとオレンジを呑み込む。
「おっへぇ~」せき込みながらいっそ口に指突っ込んで戻してしまおうかと考えるも押し留める。

2015 Im WC⑨

エナジーラボ遥か手前で、遂に日が暮れ、途中蛍光反射の輪っかを受け取り、なぜか感慨深くなる。
ラン最後の折り返しを経て気持ちを入れ替える。
まだまだ後続のランナーもいて、皆歩いたり走ったりしながら懸命にゴールに向かっている。
思った以上に外套もなく真っ暗闇。黙々と走るランナーの怪しく光る「輪」だけが暗闇に存在感を発揮する。
83歳のI田さんや最高齢米国人の85歳の選手も諦めずに折り返しに向かっていた。
真っ暗闇の中、人影もない中をただひたすら自分と向き合って歩を進めている。

あと2マイル。
あまりの気持ち悪さで補給を制限して、涼しくなってきたので水分補給も抑えめできて、順調だった矢先。
遂に。。意識朦朧となって、エイドで膝を付き、身体が痺れてきた。不味い。本当に不味い。。
絶対に歩きたくなかったけど遂に歩く。でも痺れが止まらず、前に進むことも出来ず。
エイドの少年が心配そうにこちらを観察している。
エイドに戻って食料を口に押し込んで様子を見る。少し回復。
もう歩いてゴールするしかない。

メイン会場に戻って下り坂。恥ずかしいから再び走り始める。そこに一人応援に駆けつけてもらった父の姿。
調子が悪いことは話していたが、まさかこんなにも戻ってくるのが遅いとは思わなかったであろう。
「無理するな、歩け」「ダメだ、ふらついているぞ!」そう言ってずっと伴走してくれた。
練習も出来ていないし、初めから覚悟は出来ていたけど、やっぱり悔しくて泣けてきた。
もう歩いた方が速いのは判っているけど、拳を握りしめて馬鹿みたいに走る素振りでゴールに向かう。

最後の花道は柵に寄りかかって、左右をふらつきながら何とかフィニッシュ。

RUN 5:21:39

TOTAL 13:47:46(T1&T2含む)

2015 IM WC⑦

即救護室。血圧測って、点滴打って、それでも痙攣が止まらず、尻の穴に無理やりなぜか体温計を押し込まれ、
30分ほどもんぞり打って何とか回復。色々ご迷惑をお掛けしました。

過酷な条件下でも偉大な先輩諸氏は晴れの舞台へ。
皆さんホントに尊敬します!

2015 IM WC⑤

世界の2位で凄いです!
2015 IM WC⑥

やっぱりまた戻ってくる。絶対に。
生活を見直さないとどうしようもないけど、これも自分次第。

来年は予選レース参戦計画もままならいけど、チームの士気向上にもチャレンジは続けないとね。

またな「エムドット!」
2015 IM WC②
 
ATSUSHI

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Team TRION

Author:Team TRION
チームトライオンはエイジグループの頂点に挑戦し続けるトライアスリートのチームです!

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